昭和ラーメン・デイズ

ブログ主が訪れた、昔ながらのラーメンが食べられるお店を載せています

北浦和 喜久

北浦和駅から10分ほど歩いたところに「喜久」というラーメン店がある。いつこの店の前を通っても行列が出来ていて、たまに並んでいないなと思っても、店内で数人が順番待ちしてたりする。

喜久の前を通りかかる機会が割とあるので、気になってはいたが行列に気圧されていままで入店には至らなかった。食べログを見ると、ラーメン自体は普通の昭和っぽいラーメンで、エビワンタンメンとチャーハンが人気らしい。

台風が近づいているある日、10時58分頃にこの喜久の前を通ったところ、開店2分前にして並び客は1名! 悪天候のため開店待ちを嫌った客が多いのか、とにかくチャンスということですかさずその後ろに並んだ。

11時ぴったりにお店の夫人が出てきて、店内へと招かれた。カウンターは6席くらいか? ほかに小上がり席が2卓ある。席の間隔は狭く、隣が肘を張って食べるタイプの客だとエルボーを食らうくらい(実際食らった(笑))。

注文取りが始まる頃には、店内は満席になり、店内待ちの客まで現れた。どうも悪天候の影響はさほどではないようで、私が2人めになれたのは僥倖としか言いようがない。

半炒飯のセットと餃子のセットがあるようだが、9割の客は半炒飯セットを頼んでいた。私も「チャーシューめんと半炒飯セット 1000円」を頼んだ。ラーメンと価格差は100円なので、こちらを頼まない手はない。
店主は注文が入った順番はある程度意識しつつも、あくまで「効率よく仕上げられる順序」にオーダーを上げていった。長年の経験による手際の良さ。

待つこと数分、注文の品が届いた。

まずはチャーシューのスープをすする。醤油ががつんと利くタイプを想像していたが、割と薄めで、よく言えば優しい味。化調の存在もあまり感じず、食後に舌がピリ付くようなこともない。
麺はよくある中太縮れ麺で、茹で加減はちょうどいい感じ。麺は少なめ。

最も気に入ったのがチャーシュー。昭和系によくあるギュッと身が詰まった感じではなく、柔らかくて適度に噛みごたえもあるタイプだ。かなり好み。

炒飯は「これが半炒飯?」というくらい大盛りで、餃子を頼まなくてよかったとつくづく思ったほど。しっとりとしつつもパラパラ感もある、盛り付けとは裏腹に上品な仕上がり。刻んだチャーシューやハムの切れ端が入っている。

炒飯の塩味は薄めで、ラーメンのスープと合う。勢い良く食べ進めないと途中で満腹になってしまいそうだ。ダイエットの理想とは真逆だが、満腹感に襲われないうちに一気に食べ終えた。

初喜久を終えてみて、この店が行列を作る理由はいまひとつわからなかった。アレルギー持ちなのでパスした「エビワンタン」を食べればその理由が分かるのかもしれない。

チャーシュー麺を食べた限りは、炒飯の盛り以外は本当に普通。謹厳実直に普通を極めた結果、地元民に愛されるようになった店なのかもしれない。北越谷の「天狗」という店も、「愛される普通」で日々行列を作っている。

気をてらわずにコツコツと手仕事を続けていけば、「わかる人は(その良さが)わかる」ということなのだろう。

 

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